初期段階で見られる症状
認知症は早期発見が重要
初期症状は見逃しやすい
認知症は突然発症するものではなく、長い時間をかけて少しずつ病気が進行していく進行性の病気です。そのため、いつもと違うと異変を感じたとしても一時的なものと勘違いしてしまったり、認知症の知識がなく気付くことができないため見逃してしまうことも少なくありません。その結果、症状が進んだ状態で治療を開始することになるため、認知症は完治が難しいと言われてしまうのです。しかし、もし早い段階で認知症の症状に気付くことができれば、適切な治療をすることが可能なため進行を遅らせることができます。認知症は早期に発見し、治療を開始することが重要なのです。
認知症は脳細胞にダメージを受けて認知機能に障害が起こる病気ですが、認知症の種類によって現れる初期症状は異なります。
記憶障害が顕著なアルツハイマー型認知症
同じことを何度も言ったり、忘れ物が増えたり時間を間違えたりといった症状は認知症の初期症状の一つで「記憶障害」と言われるものです。もの忘れと似ているため認知症とは気付きにくいかもしれませんが、何度も繰り返すようなら認知症を疑った方がいいでしょう。また、今までできていたことができなくなったり急に趣味が変わったりすることも「判断力障害」や「性格の変化」が疑われるため、認知症の初期症状である可能性があります。しかし、記憶障害を周囲に知られたくないあまり、作り話をしたり引きこもりがちになることもあるので記憶障害以外の変化にも気を配る必要があります。
幻視が決め手になるレビー小体型認知症
レビー小体型認知症の場合、アルツハイマー型認知症と違って記憶障害は現れにくく、うつ病やパーキンソン病に似た症状が起こるためなかなか認知症に結び付かず見逃しや誤診が非常に多いのが特徴です。そのため決め手になるのは「幻視症状」があるかどうか、ということです。うつ病の治療をしていても幻視症状が現れるようならレビー小体型認知症とみて間違いないでしょう。
まだら認知症が特徴の脳血管性認知症
脳血管性認知症は脳梗塞などによって引き起こされる病気なので、ダメージを受けた場所によって運動機能障害が出たり感情コントロールが上手くできなかったりなどさまざまな症状が現れます。他にも呂律が回らなくなる言語障害もあります。記憶障害はあるもののそれほど重いものでもなく判断力は保たれ、いいときと悪いときによって認知機能が変動する、いわゆるまだらボケが多いのが特徴です。