そもそも認知症とは
認知症とはどんな病気か?
認知症は高齢者に多い
高齢化が進む日本で深刻な問題になっているのが「認知症」です。65歳以上の約10%以上が認知症であるとも言われていますが、認知症は年を取るごとにその割合も増え、85歳ぐらいになると認知症を発症している割合は約27%にも上ります。現在、日本の認知症患者は250万人ほどと言われていますが、その数は今後増え続けていくことが予想されます。4年後の2020年、東京オリンピックの頃にはさらに50万人ほど増加する可能性があるとも言われています。こんなにも多くの患者がいるのならば、認知症はもはや国民病といっても過言ではないでしょう。
しかし、認知症と言っても「もの忘れ」のような症状だけでなく、低血糖や頭部への外傷など発症の原因によって数十種類もあると言われ、それぞれの症状には違いがあります。
三大認知症
数十種類ある認知症ですが、その中でも大多数を占めているのが「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」で、三大認知症として広く知れ渡っています。
その中でも患者数が一番多く、認知症全体の半分以上を占めているのがアルツハイマー型認知症です。これは70歳を境にして急激に増加し、中でも女性に多くみられる認知症です。なぜ女性に多くみられるのか原因は解明されていませんが、女性ホルモンと関係があるとも言われています。アルツハイマー型認知症は症状が軽度、中度、重度と三段階に分かれています。アルツハイマー型認知症の初期段階、いわゆる軽度の症状は日時が分からなくなったり不要な買い物をしたりといったように、一見、「もの忘れ」のようなものなので認知症かどうか区別がつきにくいかもしれません。しかし、症状が進むにつれて場所が分からなくなったり暴力や徘徊などの問題行動が起こるようになります。重度になると、身近な人のことが分からなくなるばかりか身体機能も低下するため寝たきりの状態になることもあります。
次に患者数が多いとされているのが脳血管性認知症です。脳血管性認知症は半身麻痺やスムーズに歩くことができなくなる歩行困難、食べ物が思うように飲み込むことができなくなったりむせたりしてしまう嚥下障害などの身体機能に関するも症状も多くなるため、介護が必要になります。
レビー小体型認知症はどちらかと言えば男性に多くみられる認知症で早い段階から幻覚や幻聴といった症状がみられ、他にも睡眠障害や感情のコントロールができないといった症状が多くみられます。